2021.11.12
明治時代に建てられた古民家の再生をしています。
土壁や屋根瓦などの構造材以外を撤去して、家全体を持ち上げ、基礎からやり直す大掛かりな工事です。
土台は腐っていた箇所もあったのですべて新しい桧の土台と交換しました。また、桧の土台の下に御影石を使用し、地震が起きた際には家全体がコンクリート基礎の上を滑ることで揺れを軽減する仕組みになります。
古民家の周囲に足場を組み、壁や瓦などを撤去していきます。
大切な柱や梁、垂木などが濡れないように養生します。
柱を木材で挟み込み、家全体をジャッキアップしていきます。家が傾いたり、無理な力が加わることの無いよう慎重にジャッキアップします。
基礎コンクリートを打設し、御影石をセットします。御影石は基礎と緊結していないため、地震が起きた際には御影石がコンクリート基礎表面を滑り、地震の揺れを和らげます。
御影石に新しい桧の土台をセット。
少しずつ家全体を下げていき、各柱を土台のほぞ穴にいれていきます。
古民家を再生するには、新築で一軒家を建てる以上の時間と技術が必要です。勇工務店では、安易に新建材を使用せず、昔からある材料で、土佐の古くからの職人の技を駆使して古民家を再生します。柱や梁は職人が手刻みし、壁は竹小舞を下地にした土壁で、土佐漆喰を塗ります。
高知にはまだまだ江戸時代や明治時代の古い民家が残っています。それら古民家が、その場限りの補修やリフォームではなく、土佐の伝統技術によって蘇り、継承されていくことを願っています。